屋根瓦の修理にかかる費用相場は?修理方法や業者の選び方を解説
2025.08.09 (Sat) 更新
瓦屋根の修理は専門的な工事である一方、「費用が高くついた」「ずさんな施工で再発した」といったトラブルも少なくありません。
なかには相場を大きく上回る金額を請求する悪質な業者も存在しています。
トラブルを避けて信頼できる業者に依頼するためにも、様々な知識を事前に知っておくことが大切です。
本記事では、瓦屋根の修理にかかる具体的な費用や工事の種類、業者選びのチェックポイントなど、屋根の修理で大切な知識をわかりやすく解説します。
「どこに頼めばいいのかわからない……」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
瓦屋根修理の費用相場とは?修理別にかかる値段を解説
瓦屋根の修理費用は、修理方法によっても大きく変わります。
ひび割れやずれなど、軽微な劣化であれば部分修理で済むこともありますが、損傷が広範囲に及ぶ場合は、屋根全体の補修や葺き替えが必要になるかもしれません。
この章では、瓦屋根の主な修理方法ごとの特徴や、実際にかかる費用の目安について詳しく解説します。
部分修理:板金の交換
棟板金や谷板金の劣化、浮き、サビが生じた場合には、新しい板金に交換する修理を行います。
棟板金の交換のみであれば、おおよそ4〜20万円程度が相場です。
ただし、板金の下地にまで損傷が及んでいる場合は下地の補修や交換が必要なので、別途費用が発生することがあります。
部分修理:瓦の差し替え
割れたりずれたりした瓦を取り外し、新しい瓦に差し替える修理方法です。
修理に必要な瓦の枚数によって費用は変動しますが、一般的には1~20万円程度が目安となります。
同じ瓦が手に入らない場合には、特注対応や他の瓦との調整が必要となり、追加費用がかかることもあります。
部分修理:漆喰の補修
棟瓦の下にある漆喰が剥がれたり崩れたりした場合に漆喰の補修作業を行います。
施工する範囲や劣化の程度により異なりますが、費用の相場は4~30万円程度です。
漆喰の劣化を放置すると、雨漏りや棟の崩壊といった深刻なトラブルにつながるおそれがあるため、早めの対処が重要です。
部分修理:棟瓦の交換・積み直し
屋根の頂部にある棟瓦がずれたり崩れたりした際には、既存の棟瓦を取り外し、積み直しや新しい瓦への交換を行います。
費用相場は4~66万円程度で、棟の長さや施工方法、現場の状況によって金額は大きく変動します。
劣化を放置すると瓦の落下や雨漏りが発生し、下地の腐食を招くリスクが高まるため注意が必要です。
全体修理:屋根瓦の葺き直し
既存の瓦をいったんすべて取り外し、下地の防水シートや野地板などを補修したうえで、元の瓦を再利用して戻す工事です。
新しい瓦を購入する必要がないため葺き替えと比べて費用を抑えやすく、屋根の耐久性も高められるというメリットがあります。
費用の相場は住宅の大きさや下地の痛み具合など状態によっても変動しますが、30坪ほどの住宅でおおよそ70〜180万円程度です。
全体修理:屋根瓦の葺き替え
既存の瓦や下地材をすべて撤去し、新しい瓦と下地に交換する大掛かりな修理です。
工事の内容や使用する材料によっては耐震性や断熱性の向上が期待できますが、そのぶん工期も費用も大きくなります。
30坪程度の住宅の場合、葺き替えにかかる費用はおおよそ100〜200万円前後で、瓦の種類や屋根の形状、勾配などによって費用は変わります。
正確な金額は見積もり依頼で判断
屋根の修理費用は、屋根の面積や傾斜の角度、使用する瓦の種類、劣化の進行具合などによって大きく異なります。
同じような工事であっても、建物の構造や立地条件などにより必要な作業工程や材料が変わることがあるため、費用相場はあくまで目安としてお考えください。
正確な費用を把握するためには、信頼できる業者に現地調査を依頼し見積もりを取ることが大切です。
瓦屋根の修理費用を抑えるために知っておきたいポイント
瓦屋根の修理は、工事の内容によってかかる値段が大きく変動するため、事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。
費用の負担を軽減する手段として、火災保険や自治体の補助金制度を活用できる可能性があります。
うまく利用すれば、修理にかかる値段を大きく抑えることが可能です。
ここでは、火災保険や補助金が適用されるケースや注意点について、わかりやすく解説します。
火災保険が使えるケースも存在する
台風や突風、雪害などの自然災害によって瓦が破損した場合、火災保険の補償対象となることがあります。
ただし、経年劣化や日常的なメンテナンス不足による損傷は保険の対象外となるので注意しておきましょう。
保険申請の際には、損傷の状況がわかる写真や修理の見積書、被害状況を記録した報告書などが必要になります。
手続きをスムーズに進めるためにも、火災保険申請に詳しい業者に相談するのがおすすめです。
自治体の補助金制度を活用できる場合がある
お住まいの地域によっては、屋根の改修や耐震補強を目的とした補助金制度を設けている自治体があります。
これらの制度を利用できれば修理にかかる値段の一部を補助してもらえるため、大きな負担軽減につながります。
補助金の対象となる条件や補助金額は自治体によって異なるため、事前に自治体のホームページなどで詳細を確認しておきましょう。
省エネ化や耐震性向上を目的とした工事は補助対象になりやすいため、該当するかどうかを業者と相談しながら進めると安心です。
信頼できる瓦屋根の修理業者を選ぶポイント
瓦屋根の修理にかかる費用は決して安くないからこそ、工事を依頼する際は信頼できる業者を選ぶことが何より大切です。
金額だけで判断すると、あとから追加費用が発生したり、仕上がりに不満が残ったりするケースもあります。
この章では、信頼できる瓦屋根修理業者を選ぶためのポイントをわかりやすく整理しました。
後悔のない依頼のために、ぜひ参考にしてください。
瓦屋根修理の施工実績・事例が豊富にあるか
依頼を検討している業者がどのような工事を行ってきたか、過去の施工事例を確認することが大切です。
ホームページやパンフレットに写真付きで施工事例が紹介されていれば、実績や得意な工事の傾向がわかります。
自分の家と似たような症状や屋根の構造に対応した経験があれば、安心して任せられるかより判断しやすくなります。
調査・見積もりが無料で内容が明確か
現地調査や見積もりが無料であるかどうかは、業者の誠実さを見極めるひとつの基準です。
見積もりを依頼した後は、見積書の内容が細かく明記されているかもチェックしておきましょう。
工事の範囲や材料の種類、諸経費などがしっかり書かれているかも大事なポイントです。
「〇〇一式」などの曖昧な表現が多い業者は、後で予想外の請求をされるおそれがあるため注意が必要です。
質問の回答が丁寧でわかりやすいか
不明点を質問した際に専門用語ばかりでなく、初心者にもわかる言葉を使って丁寧に説明してくれるかどうかも確認しておきたいポイントです。
図や写真を使って工事の内容や必要性を視覚的に説明してくれる業者は、施工に対する責任感も高い傾向があります。
不安をしっかり解消しようとする姿勢のある業者を選びましょう。
保証やアフターフォローについて明記されているか
工事後に不具合が発生した場合に備えて、保証制度の有無も必ず確認しましょう。
保証内容が契約書やパンフレットなどに明記されており、口頭ではなく書面で説明してくれる業者なら安心できます。
保証の範囲や条件について丁寧に説明してくれるかも重要なポイントです。
緊急時にも対応可能な地域密着型のサービスか
突然の雨漏りなど、緊急時にもすぐに対応できる体制が整っているかどうかという点も確認しておきましょう。
地域に拠点を構える業者は現場までの移動時間が短く、迅速に駆けつけてくれる可能性が高いです。
また、地域密着型の業者は地元での信頼を重視しているため、融通が利きやすく、小規模な工事やアフターケアにも柔軟に対応してくれることが多い傾向にあります。
口コミや評判など第三者評価が高いか
業者選びに迷ったときは、Googleレビューや口コミでの評価も参考になります。
高評価が多い業者は、過去の利用者からの信頼が厚い証拠です。
たとえ悪い評価があっても、真摯に返信し、改善の姿勢を見せている業者であれば誠実さが感じられます。
第三者の評価は、業者の本当の姿を知るための手がかりとして重要な判断材料になります。
瓦屋根の修理は費用面も含めて安心できる業者を選ぼう
瓦屋根の修理は部分的な補修で済む場合もあれば、全体的な葺き直しや葺き替えが必要になるなど内容によって費用が大きく変わります。
最も重要なのは、「信頼できる業者に依頼すること」です。
火災保険や自治体の補助金制度を活用すれば、修理費用の負担を軽減できるケースもあります。
制度の適用条件や申請方法についても、経験豊富な業者であればスムーズにサポートしてくれるでしょう。
費用だけで判断するのではなく、「安心して任せられるかどうか」を基準に、納得できる業者選びを心がけてください。