雨漏り修理で火災保険は利用できる?申請時の流れや注意点を解説
2025.09.11 (Thu) 更新
雨漏りが発生したときに、火災保険を利用して修理したいと考える方も多いのではないでしょうか。
自然災害によって被害を受けた際に、火災保険を利用できる可能性があります。
利用時には保険請求には期間が定められていたり、保険金の受け取り金額が異なったりするため、注意点を把握しておくことが重要です。
本記事では、雨漏り修理で火災保険を利用できるケースとできないケースについて詳しく解説します。
火災保険利用時の注意点や申請の流れも紹介しているため、参考にしてください。
雨漏り修理で火災保険を利用できる可能性がある
雨漏りの原因が「風災・雪災・雹災(ひょうさい)」などの自然災害であれば、火災保険を利用できる可能性があります。
火災保険は火災だけでなく、自然災害による住宅の損害も補償対象となる場合があります。
雨漏りを引き起こした原因が「自然災害であること」が、保険適用の条件です。
具体的には「台風や強風で屋根材が飛んで雨漏りした」「大雪の重みで屋根が損傷し雨漏りした」などがあげられます。
まずは保険会社へ相談し、雨漏りの原因が自然災害によるものかどうかの確認が必要です。
雨漏り修理で火災保険を利用できない主なケース
雨漏り修理で火災保険を利用できない主なケースは下記のとおりです。
・経年劣化
・施工不良
・人為的な損傷、劣化
火災保険はすべての雨漏り修理で利用できるわけではないため、あくまで参考としてください。
経年劣化
経年劣化が原因の雨漏りは火災保険の対象外です。
火災保険は住宅の老朽化を対象としていません。
たとえば「長年の雨風で屋根材や防水シートが自然に傷んだ」「コーキング部分がひび割れて隙間ができた」といった場合です。
自然災害とは関係なく、寿命によって発生した雨漏りは自己負担で修理する必要があります。
施工不良
新築時やリフォーム時の施工不良が原因の雨漏りは火災保険の対象外です。
自然災害ではなく、工事を行った施工業者の責任とみなされます。
「防水シートの施工に不備があった」「屋根材の固定方法が間違っていた」などが原因で雨漏りした場合は、火災保険を利用できません。
工事を依頼した施工業者に問い合わせて修理を依頼してください。
人為的な損傷・劣化
人の行為によって生じた損傷や劣化による雨漏りは、火災保険の補償対象外です。
火災保険は、あくまで台風や大雪といった自然災害による損害を補償するものであり、人の過失による損害は原則として対象になりません。
「子どもがボールをぶつけて壁がへこんだ」「家具を運ぶ際に誤って傷つけた」といったケースが該当します。
人為的な損傷と判断された場合は火災保険を利用できないため、自己負担で修理する必要があります。
雨漏り修理で火災保険を利用する流れ
一般的な火災保険の利用方法は下記のとおりです。
・保険会社へ連絡する
・修理業者へ見積もりを依頼する
・保険金を請求する
・保険会社による現地調査を行う
・保険金の決定と支払いが行われる
・工事契約を結び雨漏り修理を行う
提出する書類に不備があれば、保険金が支払われなかったり、支払いが遅れたりする可能性があります。
雨漏り被害を見つけたら、迅速に保険会社へ連絡してください。
火災保険の受け取り方の種類
火災保険の受け取り方には2種類あります。
・免責型
・フランチャイズ型
種類によって保険金の支払われ方が異なるため、詳しく解説します。
免責型
免責型の契約では、設定された免責金額(自己負担額)を差し引いた額が保険金として支払われます。
少額の損害の場合、契約者が自己負担することで保険料を安く抑える仕組みです。
免責金額が5万円の契約で修理費用が30万円だった場合、支払われる保険金は25万円です。
修理費用が免責金額以下の場合は、保険金は支払われません。
契約内容を確認し、自分の免責金額がいくらかを事前に把握しておく必要があります。
フランチャイズ型
フランチャイズ型の契約は、損害額が一定額を超えた場合に全額が支払われます。
損害額が一定額を超えない場合は、1円も支払われません。
たとえば、フランチャイズ金額が20万円の契約で修理費用が25万円なら、25万円を受け取れます。
修理費用が19万円だった場合の保険金は0円です。
古い契約に多いタイプで、現在は免責型が多い傾向にあります。
雨漏り修理の費用相場
雨漏り修理の費用相場は下記のとおりです。
・外壁の雨漏り修理:2~300万円
・天井の雨漏り修理:3~20万円
・ベランダ(バルコニー)の雨漏り修理:3~25万円
・窓枠・天窓の雨漏り修理:3~25万円
・屋根の雨漏り修理:20~150万円
上記以外にシーリング費用や付帯塗装、消費税や諸経費が入ります。
雨漏りが広範囲に及んでいると修理費用も高くなるため、気になる劣化サインがある場合は早めに相談するのがおすすめです。
雨漏り修理で火災保険を利用する際の注意点
雨漏り修理で火災保険を利用する際には、いくつか注意点があります。
・保険金は被害を受けてから3年以内に請求する
・原則として請求は自分で行う
・保険金は全額受け取れないケースもある
・火災保険の申請サポート詐欺に注意する
知らない間にトラブルに巻き込まれたり、保険金を受け取れなかったりする可能性があるため、参考にしてください。
保険金は被害を受けてから3年以内に請求する
火災保険の請求権には時効があり、損害が発生してから3年以内に請求する必要があります。
保険法で保険金請求権の消滅時効が3年と定められているからです。
3年以上前に発生した自然災害による雨漏り被害は、原則として請求できません。
時間が経つと被害と災害の因果関係の証明も難しくなります。
被害に気づいたら、後回しにせず速やかに請求手続きを開始することが大切です。
原則として請求は自分で行う
火災保険の請求手続きは、契約者本人が行います。
修理業者による申請代行は認められていません。
仮に業者へすべて任せてしまうと、トラブルや詐欺に巻き込まれるリスクがあります。
申請に必要な書類作成のサポートを受けることは問題ありませんが、申請行為そのものは自分で行うことが大切です。
業者からのアドバイスを参考にしつつ、最終的な手続きは自分で責任をもって申請してください。
雨漏り修理業者が「保険申請を代行します」と持ちかけてきても、委任してはいけません。
保険金は全額受け取れないケースもある
申請した雨漏り修理の見積もり額が、そのまま保険金として全額支払われるとは限りません。
契約している保険内容によって受け取れる金額が異なるほか、調査の結果次第では経年劣化とみなされる可能性もあります。
保険会社は損害を客観的に査定し、必要最低限の修理費用を算出します。
あくまで、損害を原状回復するための費用と認識し、自己負担額が発生する可能性があることも考慮しておくことが大切です。
火災保険の申請サポート詐欺に注意する
「火災保険を使えば無料で修理できる」と強調する悪質な業者による詐欺には注意が必要です。
高額なコンサルティング料を請求されたり、不正請求を促されたりするトラブルに巻き込まれる可能性があります。
自己負担額ゼロを強調して契約を急がせる、経年劣化だとしても自然災害によるものだと虚偽の申請をさせる、といった業者との契約はおすすめできません。
火災保険の申請サポートを依頼する際は、信頼できる業者かどうか慎重に選ぶ必要があります。
雨漏り修理業者を選ぶときのポイント
雨漏り修理で失敗しない業者を選ぶには、3つのポイントがあります。
・雨漏り修理の施工実績が豊富にある
・口コミ評判がよい
・自社施工している
雨漏りは原因特定が難しいため、公式サイトで施工実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。
さまざまな住宅の雨漏り修理をしてきた業者は、信頼性が高く安心して工事を任せられます。
あわせて、中間マージンと呼ばれる手数料がなく、適正価格が期待できる自社施工の業者かどうかも重要です。
自社施工の業者は、見積もりから施工、アフターフォローまでを一貫して行います。
責任の所在が明確で、要望が直接現場に伝わりやすいメリットもあります。
さらに、公式サイトだけでなくGoogleマップなどで第三者の客観的な口コミ評判のチェックも必要です。
口コミは実際に修理をしてもらった方のリアルな声がわかり、よいところだけではなく悪い面も見て判断できます。
総合的に比較検討し、安心して任せられる業者に依頼することが、確実に雨漏り修理を行うために大切です。
火災保険を利用した雨漏り修理は信頼できる業者に依頼しよう
雨漏りの原因が自然災害であれば、火災保険を使って修理費用をまかなえる可能性があります。
火災保険は「風災・雪災・雹災」などによる突発的な損害を補償対象としています。
ただし、経年劣化や施工不良は対象外となるため、原因の見極めが重要です。
申請は3年以内に行い、詐欺業者には注意しながら、実績豊富な雨漏り修理業者に依頼してください。
雨漏りが発生したら火災保険が利用できないかを確認し、正しい知識をもって手続きを進めることが大切です。