コロニアル屋根の価格は?工事別の相場と安く抑えるポイントを解説
2025.10.01 (Wed) 更新
住宅の屋根にコロニアルの採用を検討する際、気になるのが価格ではないでしょうか。
コロニアル屋根は日本の住宅で広く取り扱われている屋根材です。
工事価格は、塗装や葺き替えといった工事方法や、使用するコロニアルのグレードによっても大きく変動します。
広く普及している屋根材だからこそ、適正な価格相場を把握し、信頼できる業者へ工事を依頼することが大切です。
本記事では、コロニアル屋根とメンテナンス工事別の価格相場を詳しく紹介します。
工事価格を抑えるポイントやコロニアル屋根のメリット・デメリットも解説するため、参考にしてください。
コロニアル屋根の価格相場
コロニアル屋根はスレート屋根の代表的な商品です。
多くの日本の住宅で扱われている屋根材のひとつでもあります。
主な価格は次のとおりです。
・コロニアルクァッド:1平方メートルあたり4,500~8,500円
・コロニアルグラッサ:1平方メートルあたり5,400~9,000円
コロニアルクァッドは標準グレードのスレート屋根材です。
新築やリフォームでよく使われ、価格が安いという特徴があります。
コロニアルグラッサはクァッドよりグレードが高めです。
初期費用は高くなりますが、メンテナンスの頻度を抑えられるため、長期的に見てコストパフォーマンスに優れています。
コロニアル屋根をメンテナンスする際の価格相場
コロニアル屋根をメンテナンスする際の価格相場を、施工方法別に紹介します。
工事の規模が大きくなるほど価格も当然高くなるため、屋根の状況に合わせた施工が大切です。
コロニアル屋根を塗装する際の価格相場
コロニアル屋根を塗装する際の価格は、約30坪の住宅で60〜80万円が相場です。
ただし、次のように使用する塗料によっても価格は異なります。
・シリコン塗料:1平方メートルあたり約1,800〜3,500円
・フッ素塗料:1平方メートルあたり約3,000〜5,000円
・無機塗料:1平方メートルあたり約3,800〜5,500円
シリコン塗料はコストと耐久性のバランスがよく、幅広い住宅で採用されている塗料です。
フッ素塗料は雨風や汚れに強くメンテナンス回数を減らせるメリットがあります。
無機塗料は高い耐久性をもち、フッ素塗料より紫外線や劣化に強い点が特徴です。
防汚性にも優れているため、屋根をできるだけ長く守りたい方におすすめですが、初期費用は高めです。
コロニアル屋根をカバー工法する際の価格相場
コロニアル屋根をカバー工法する際の価格相場は、約30坪の住宅で80〜150万円です。
カバー工法は既存の屋根を撤去せず、上から新しい屋根材を重ねる工事です。
屋根材の撤去費用や廃材処分費がかからない分、価格を抑えられます。
コロニアル屋根は比較的軽いため、新しい屋根材をかぶせても住宅にかかる負担が少なくすみます。
カバー工法は下地の交換までは行わないため、屋根全体が大きく傷んでいなければ、葺き替えより安価にできる工事です。
コロニアル屋根を葺き替える際の価格相場
コロニアル屋根を葺き替える際の価格は、約30坪の住宅で100〜200万円が相場です。
葺き替えは既存の屋根材と下地をすべて撤去し、新しいものに交換する大規模な工事です。
材料費に加えて既存屋根の撤去・処分費用が加算されるため、カバー工法より高額になります。
屋根の下地まで腐食が進んでいる場合や、根本的な雨漏り解決が必要な場合におすすめです。
葺き替え工事の価格が高くなりますが、屋根の寿命をリセットでき、新築同様に生まれ変われるメリットがあります。
もし、コロニアル屋根にアスベストが含まれている場合は、撤去・処分に特別な処理が必要です。
通常の工事価格に追加で費用がかかるため、総額はさらに高くなる可能性があります。
コロニアル屋根の価格を抑えるポイント
コロニアル屋根の価格を抑えるポイントは次のとおりです。
・補助金、助成金を利用する
・火災保険を利用する
・自社施工に依頼する
工事費用は決して高くないため、できるだけ価格を抑えたい方は参考にしてください。
補助金・助成金を利用する
国や自治体の補助金・助成金制度を利用できれば、工事費用を抑えられます。
省エネや耐震性向上を目的としたリフォームに対し、費用の一部を補助する制度が設けられている場合があるためです。
制度の有無や条件は自治体によって異なります。
申請には期限があり、書類の用意にも時間がかかる可能性があるため、早めの申し込みが必要です。
事前にお住まいの自治体で利用できる制度がないか確認してみてください。
火災保険を利用する
台風などの自然災害が原因でコロニアル屋根が損傷した場合、火災保険が適用される可能性があります。
多くの火災保険には「風災・雪災・雹災」による損害を補償する特約が付帯しています。
たとえば、雹によってコロニアル屋根が割れた場合は火災保険の対象になる可能性があります。
火災保険はあくまで自然災害による被害を対象にしているため、経年劣化が原因の損傷では利用できません。
申請には被害状況の証明や書類などが必要のため、一度保険会社へ相談するのがおすすめです。
自社施工に依頼する
自社施工の業者を選ぶと工事価格を抑えやすくなります。
自社施工は仲介業者を挟まないため、中間マージンといわれる仲介手数料を削減できます。
ハウスメーカーや大手リフォーム会社は、実際の工事を下請け業者に発注することが多く、紹介料が工事費用に上乗せされる場合がほとんどです。
地域密着の屋根工事店など、自社で職人を抱えている業者に直接依頼すれば、中間マージンが発生しません。
できるだけ価格を抑えてコロニアル屋根の工事を行うなら、自社施工の専門業者を選ぶのも選択肢のひとつです。
コロニアル屋根とスレート屋根の違い
コロニアル屋根とスレート屋根は、実質的に同じ屋根材のことです。
スレートはセメントを主成分とする薄い板状の屋根材の総称で、コロニアルは商品名です。
日本では多くの住宅でコロニアル屋根が普及していることから、スレート屋根全体が「コロニアル」と呼ばれるようになりました。
業者との会話でコロニアル屋根とスレート屋根の両方の言葉が出てきても、基本的には同じものを指しているといえます。
コロニアル屋根のメリット・デメリット
コロニアル屋根は、価格が比較的安く、初期費用を抑えられる点がメリットです。
材料費が手頃なうえ、軽量で施工しやすいため工期が短く、人件費も抑えられます。
軽さは耐震性の向上にもつながり、地震の揺れを軽減する効果も期待できます。
カラーバリエーションも豊富なため、さまざまな住宅デザインに合わせやすいのも特徴です。
一方、コロニアル屋根の表面には凹凸があり、汚れがたまりやすくカビや苔が発生しやすいデメリットがあります。
美観と屋根材の寿命を保つには定期的な洗浄が欠かせません。
セメント系の薄い板材であるため、衝撃に弱く飛来物などでひび割れしやすい点にも注意が必要です。
ひび割れを放置すると雨漏りの原因になります。
さらにコロニアル屋根は断熱性が低く、夏場は室温が上がりやすい傾向にあります。
快適性を求めるなら遮熱塗料の使用などの対策を検討するのがおすすめです。
コロニアル屋根の設置やメンテナンスを依頼する際の業者選びのコツ
コロニアル屋根の工事は信頼できる業者へ依頼する必要があります。
業者の技術力や知識によって、屋根の寿命や仕上がりの美しさが大きく左右されます。
まず、コロニアルの施工実績が豊富かどうかの確認が重要です。
さまざまな住宅を施工してきた業者なら、信頼性も高まり理想の工事が期待できます。
見積書は「一式」ではなく、足場代や塗料名など内訳が詳細でわかりやすいかを確認してください。
説明時に、なぜその工事が必要なのか、専門用語を使わずに丁寧に説明してくれる業者なら安心して任せられます。
価格の安さだけで選ばず、総合的に判断して慎重に業者を選ぶことが大切です。
コロニアル屋根の価格相場をふまえて信頼できる業者に工事を相談しよう
コロニアル屋根は、価格を抑えられる屋根材で日本の住宅で多く使用されています。
メンテナンス方法には塗装やカバー工法、葺き替えがあり、それぞれ価格相場や特徴が異なります。
コロニアル屋根は非常に軽くて施工しやすい点がメリットです。
しかし、汚れやすかったりひび割れしやすかったりするデメリットな部分も、理解しておく必要があります。
特徴を十分に理解し、信頼できる業者へ工事を依頼するのが大切です。
コロニアル屋根の施工実績が豊富か、工事に関して丁寧に説明してくれるかといったポイントを意識して、安心して任せられる業者を見つけてください。