一軒家の屋根の修理方法と費用相場は？信頼できる業者の選び方も解説

一軒家の屋根修理はどのように行うのか、費用はいくら必要なのかわからない方もいるのではないでしょうか。

屋根は雨風や紫外線を直接受ける部分のため、経年劣化が避けられません。

コケや色あせが発生したら塗装、下地部分まで劣化していたら葺き替えなど、劣化状況に合わせた修理が必要です。

本記事では一軒家の屋根を修理する方法と費用相場を詳しく解説します。

屋根を修理するタイミングや業者の選び方も紹介しているため、参考にしてください。

一軒家の屋根を修理する方法と費用相場

一軒家の屋根の主な修理方法と、それぞれにかかる費用相場について詳しく解説します。

住宅の状態に適した修理方法を選ぶ参考にしてください。

塗装

屋根塗装は美観や防水機能を回復させる目的で行います。

屋根材は常に紫外線や雨風に晒されており、経年で塗膜が劣化し防水性も低下するためです。

高圧洗浄や下地処理などで塗装面を整え、一般的には下塗り・中塗り・上塗りと3回に分けて塗料を重ねます。

葺き替えやカバー工法に比べ費用を抑えられるため、比較的軽微な劣化の場合におすすめの方法です。

約30坪の一軒家での費用相場は60〜80万円です。

カバー工法

既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるのがカバー工法です。

具体例として、古いスレート屋根の上に軽量な金属屋根を重ねる工事などがあげられます。

古い屋根材の撤去や処分が不要なため、解体費用がかからず工期を短縮できる点がメリットです。

屋根が二重になることで、断熱性や遮音性が向上する効果も期待できます。

約30坪の一軒家での費用相場は80〜150万円です。

葺き替え

葺き替えは既存の屋根材をすべて撤去し、下地から新しく作り直す大規模工事です。

屋根材だけでなく、防水シートや野地板などの下地部分まで劣化が進行している場合に選ばれる修理方法です。

下地の状態を直接確認して補修できるため、一軒家の寿命を大きく延ばせます。

約30坪の一軒家での費用相場は100〜200万円と高額ですが、屋根の機能が新築のように生まれ変わるメリットがあります。

葺き直し

葺き直しは主に瓦屋根で行われ、下地のみを新しくして既存の屋根材を再利用する修理方法です。

瓦屋根は耐久性が高い一方、下にある防水シートや漆喰は経年劣化が避けられません。

工事では一度瓦をすべて剥がして保管し、防水シートなどを交換したあとに、再度同じ瓦を葺いていきます。

瓦屋根は耐用年数が長く再利用が可能なため、下地を直して屋根の景観を維持したいときに向いています。

約30坪の一軒家での費用相場は70〜180万円です。

部分補修

屋根全体ではなく、自然災害による破損や経年劣化した特定箇所のみを修理するのが部分補修です。

雨漏りの原因箇所が特定できている場合や、被害が限定的な場合に適しています。

主な部分補修の費用相場は次のとおりです。

・棟板金の交換：4～20万円
・谷板金・谷樋の交換：5～20万円
・瓦の差し替え：1～20万円
・漆喰補修：4～30万円
・棟瓦の交換・積み直し：4～66万円
・棟の釘の打ち直し：1.5〜20万円
・貫板の交換：1メートルあたり5,000〜10,000円

ただし、あくまで応急処置となる場合も多いため、業者と相談して決める必要があります。

【屋根材別】一軒家の屋根を修理するタイミング

主な屋根材ごとに修理を検討する際のポイントを詳しく解説します。

屋根材によって耐用年数や修理のタイミングが異なるので、業者に依頼する際の参考にしてください。

スレート屋根

スレート屋根の耐用年数は15〜30年です。

セメントが主成分の屋根材で、多くの住宅で使われています。

経年劣化により表面の塗装が剥がれやすいため、10年ごとに塗装メンテナンスを行うのがおすすめです。

塗膜が劣化すると、色あせやひび割れ、コケの発生につながります。

放置すると雨漏りにつながる可能性もあるため、定期的な点検と適切な時期の修理が必要です。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板の耐用年数は20〜40年と比較的長めです。

金属屋根の中でもサビにくいため、メンテナンスの頻度が少なくすみます。

しかし、表面の塗膜が劣化すると色あせしたり、物が当たって傷がつくとサビたりする可能性があります。

塗装メンテナンスは、10〜20年ごとに行うのがおすすめです。

サビが広範囲に及んだり大きな変形があったりする場合は、カバー工法や葺き替えを行うのが一般的です。

屋根瓦

屋根瓦は、瓦の種類によって修理のタイミングが大きく異なります。

主な瓦の種類と耐用年数は以下のとおりです。

・粘土瓦：50年以上
・セメント瓦：20～40年
・乾式コンクリート瓦：20～40年

粘土瓦は塗装が不要で、耐用年数も50年以上と非常に長めです。

セメント瓦やコンクリート瓦は防水性能を維持するために、塗装メンテナンスが必要です。

瓦自体の寿命が長くても、漆喰や防水シートは経年劣化します。

瓦のずれや割れの補修、漆喰の詰め直しなどの修理を適切な時期に行うことが大切です。

一軒家の屋根の修理費用を安く抑えるコツ

一軒家の屋根の修理にはある程度の費用が必要です。

火災保険や補助金などをうまく利用できると、費用を安く抑えられる可能性があるため詳しく解説します。

火災保険を利用する

台風や強風、大雪といった自然災害によって屋根が破損した場合、火災保険で修理費用を抑えられる可能性があります。

多くの火災保険には「風災・雹災・雪災補償」が付帯しています。

台風で棟板金が飛んだ、大雪で雨樋が壊れたといったケースが対象となる傾向です。

ただし、経年劣化による損害は対象外となるため注意が必要です。

自然災害で一軒家の屋根が損傷した場合は、加入している保険会社に連絡し、補償の対象となるか確認してください。

補助金や助成金を利用する

一軒家の屋根修理では、国やお住まいの自治体が設けている補助金や助成金制度を活用できる場合があります。

省エネ性能の向上を目的とした遮熱塗装や、耐震性強化のための軽量な屋根への葺き替え工事などが対象となることが多い傾向です。

制度の内容や申請条件、受付期間などは自治体ごとに異なるため、工事を計画する前に確認する必要があります。

一軒家の屋根修理業者を選ぶときのポイント

一軒家の屋根修理業者を選ぶときのポイントを解説します。

信頼できる業者へ依頼するためにも参考にしてください。

屋根修理の実績が豊富にある

業者を選ぶ際は、一軒家の屋根修理に関する実績が豊富にあるかを確認します。

屋根の形状や劣化状況は一軒一軒異なり、適切な診断と施工には専門的な知識と経験が不可欠です。

業者のWebサイトで過去の施工事例や写真をチェックするのがおすすめです。

自分の住宅と似ている事例があれば、工事イメージもつかみやすくなります。

口コミ評判が高い

実際に屋根修理を行った方の口コミや評判は、業者選びの重要な判断材料です。

公式サイトだけではわからない、職人の対応や施工の丁寧さなどリアルな情報を把握できます。

GoogleマップのレビューやSNSなどを通して、口コミ評判を確認しておくのがおすすめです。

よい評価だけでなく、悪い評価も確認して総合的に判断することが大切です。

丁寧に説明してくれる

屋根の劣化状況や必要な工事内容について、納得できるよう丁寧に説明してくれる業者を選ぶことが重要です。

屋根修理は専門性が高く、一般の方からするとわかりにくい部分も多くあるでしょう。

写真などを見せながら、現状や修理方法を具体的に説明してくれると信頼性も高まります。

なぜその工事が必要か、費用内訳はどうなっているか、といった質問に真摯に答えてくれる業者であれば、安心して一軒家の屋根修理を任せられます。

屋根修理の際は飛び込みの訪問営業に注意する

「近くで工事をしている」「屋根の劣化が見えた」などと理由をつけて突然訪問してくる営業には、安易に対応してはいけません。

屋根修理業者には必要以上に不安をあおり、高額な契約を迫る悪質な業者が存在します。

その場で契約を促されても即決せず、毅然とした態度で断る必要があります。

屋根の点検や修理は信頼できる業者へ依頼することが大切です。

一軒家の屋根は適切な方法で修理してもらうことが大切

一軒家の屋根は、劣化状況や屋根材の種類に合った適切な方法で修理します。

屋根材の種類、劣化の進行度によって塗装やカバー工法、葺き替えなど修理方法や費用が異なり信頼できる業者との相談が欠かせません。

一軒家の屋根修理にはある程度の費用がかかるため、火災保険や補助金をうまく活用するのがおすすめです。

修理実績が豊富で口コミ評判がよい業者を選び、適切な時期に屋根修理を行いましょう。