屋根の直し方は劣化の進み具合で変わる!主な方法と費用相場を紹介
2025.12.01 (Mon) 更新

屋根の劣化が気になっていても、修理方法や費用の目安がわからず、なかなか踏み出せない方も少なくありません。
特に初めて屋根修理を検討する方にとっては、何をどう判断すればよいのか戸惑うことが多いでしょう。
屋根の修理方法は、劣化の進行度や屋根材の種類によって大きく異なります。
軽度の劣化や損傷であれば、比較的安い費用で補修が可能です。
本記事では、劣化状態別の屋根の直し方や費用相場などを紹介します。
屋根材ごとの特徴や選び方も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
【劣化状態別】屋根の主な直し方と費用相場

屋根の状態によって最適な直し方は変わります。
ここでは屋根の状態別に、どのような直し方があるか、費用相場とともに紹介します。
ひび割れや小さな欠け、剥がれがある
屋根材にひび割れや小さな欠けが発生している場合は、部分的な修理で対応します。
ひび割れや欠けの部分に、シーリング材や補修材を充填して補修する方法が一般的です。
また、屋根材が数枚剥がれていたり、部材が損傷したりした場合も、部分的な補修で対応可能です。
なお、屋根材にひび割れや欠けが発生している場合、塗膜の劣化が進んでいるサインでもあります。
部分的な補修とともに、塗り替えを検討するのがおすすめです。
「小さな欠けだから」と放置しておくと、そこから雨水が染み込み、劣化を進めてしまう恐れがあります。
屋根の劣化に気づいたら、早い段階で補修すると安心です。
屋根の部分修理の費用相場は以下の通りです。
・棟板金の交換:4~20万円
・谷板金・谷樋の交換:5~20万円
・瓦の差し替え:1~20万円
・漆喰補修:4~30万円
・棟瓦の交換・積み直し:4~66万円
・棟の釘の打ち直し:1.5〜20万円
・貫板の交換:1メートルあたり5,000〜10,000円
上記に加え、足場代が別途必要になります。
施工範囲や使用する部材などによって費用が変わるため、紹介した価格は目安としてご覧ください。
広範囲にわたって屋根材が破損している
広範囲で屋根材が破損したり剥がれたりしている場合、カバー工法や葺き替えによって修理する必要があります。
カバー工法は、既存の屋根の上から新しい屋根材を施工する方法です。
葺き替えは、既存の屋根を撤去したうえで新しい屋根材を施工する方法です。
屋根の状態によって、どちらの方法が適しているかは異なります。
次のセクションでは工法の違いも解説するので、参考にしてください。
約30坪の住宅で施工した場合、それぞれの費用相場は以下の通りです。
・カバー工法:80〜150万円
・葺き替え工事:100〜200万円
なお、費用は新しい屋根材の種類や施工範囲によって変動するため、あくまで目安とお考えください。
工法による屋根の直し方の違い

カバー工法と葺き替えの特徴を理解しておくと、リフォーム会社との相談がスムーズになります。
ここでは、両工法のメリット・デメリットを含めて違いを解説します。
カバー工法
カバー工法は「重ね葺き」「重ね張り」とも呼ばれる工法です。
葺き替えと比較すると、以下のメリットがあります。
・工事費用が抑えられる
・工期が短い
・屋根の断熱性や遮音性が向上する
既存の屋根材を撤去しないため、廃材処理などのコストが軽減されます。
また、撤去作業が不要な分、工期が短くなるケースも多いです。
屋根が二重になることで、断熱性などの向上も期待できます。
一方、以下のデメリットもあります。
・屋根のデザインや形状によっては施工できない
・屋根材によっては施工できない
・下地が傷んでいても気づけない
・屋根が重くなる
屋根のデザインや屋根材によっては、カバー工法が施工できない可能性があります。
また、住宅の築年数によっては、屋根の下地が劣化している場合があり、葺き替えの方が適している場合もあります。
まずは屋根の状態を調査してもらい、その結果をもとに選択するのをおすすめします。
葺き替え
屋根の葺き替え工事を行う場合、屋根材だけではなく下地部分も一新できます。
そのため、カバー工法に比べて費用が高くなり、工期も長くなります。
一方で、以下のようなメリットもあります。
・次のメンテナンスまでの時間が長くなる
・軽い屋根材を選ぶと耐震性が向上する
・耐久性などの性能を向上させるための工事もできる
築年数が古い家は、下地や内部構造が傷んでいるケースも少なくありません。
屋根材を撤去して状態を確認し、適切な補修をすることで寿命を延ばせます。
また、雨漏りが発生している場合も、カバー工法より葺き替えが向いています。
費用だけでなく、住宅の状態や将来のメンテナンス性などを総合的に考慮して選ぶことが大切です。
なお、葺き替えにかかる費用は、屋根材によって大きく変動します。
以下は30坪ほどの住宅を想定した場合の、主な組み合わせ別の目安です。
・スレート屋根からガルバリウム鋼板:80〜200万円
・スレート屋根からアスファルトシングル:90〜180万円
・スレート屋根から軽量瓦:100〜200万円
・トタン屋根からガルバリウム:80〜160万円
・瓦→瓦:90〜250万円
・瓦→スレート:70〜200万円
・瓦→アスファルトシングル:70〜230万円
・瓦→ガルバリウム:100〜220万円
各屋根材には特徴があるため、住宅の状態や希望する性能を踏まえて、リフォーム会社と相談しながら選ぶと安心です。
【屋根材別】主な屋根の直し方

屋根材はそれぞれ性質が違うため、劣化の進み方や主な直し方も異なります。
住宅で主に使われている「スレート」「瓦」「金属」「アスファルトシングル」について、よくある不具合や主な直し方を紹介します。
スレート
スレートはセメントが主成分で「コロニアル」とも呼ばれる屋根材です。
軽量で施工しやすいため、日本でも広く普及しています。
よく見られる不具合は「割れ」で、風で飛ばされるケースも少なくありません。
スレートの一部が剥がれたり割れたりした場合、部分的な補修で対応可能です。
シーリング材を充填するほか、防水テープを貼る修理を行う場合もあります。
瓦
瓦は日本に古くからある屋根材で、耐久性に優れています。
地震や台風の影響で不具合が生じることが多い屋根材でもあります。
瓦がずれたり、漆喰が崩れたりした場合は、部分的な補修で対応可能です。
また、瓦屋根には「葺き直し」という方法もあります。
葺き直しは既存の瓦を再利用する方法で、費用を抑えながら下地を一新できる方法です。
一方、自然災害による大きな不具合や、経年劣化による雨漏りがある場合は、葺き替えを検討した方が確実です。
築年数が古い場合も、耐震性などの向上を目的として葺き替えを選択するケースが増えています。
なお、瓦屋根は原則としてカバー工法が施工できない点に注意しましょう。
金属
金属屋根というとトタンを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、現在ではガルバリウム鋼板が人気です。
耐久性が高く、同じ金属屋根のトタンよりサビにくい特徴があります。
一方、トタンはサビが発生しやすく、定期的なメンテナンスが欠かせません。
部分的なサビであれば、腐食部を除去したうえでコーキングなどの部分補修で対応可能です。
ただし、築年数が古い場合はサビが拡大している可能性があります。
サビの進行を抑えるためにも、定期的な点検とメンテナンスを行うことをおすすめします。
アスファルトシングル
アスファルトシングルは、アスファルトを主成分とした屋根材で、比較的安価で施工しやすい点が特徴です。
海外、特にアメリカで広く普及している屋根材として知られています。
アスファルトシングルは強風によって剥がれたり、破れたりして修理が必要となるケースが多いです。
部分的な補修も可能ですが、築年数が経過している場合はカバー工法や葺き替えを検討するのがおすすめです。
DIYで屋根を直すのはおすすめできない

屋根修理の費用を抑えるため、DIYを検討する方もいます。
しかし、以下の点から屋根のDIYはおすすめできません。
・高所での作業はケガのリスクが高い
・手順を間違えるなど、状態を悪化させる可能性がある
・近隣住民とのトラブルにつながる可能性がある
屋根での作業は高所となるため、慣れていないと転落事故につながりやすく危険です。
また、工具や部材を落とし、周囲の人にケガを負わせてしまうリスクもあります。
さらに屋根を適切に直すには、修理に必要な材料や正しい手順についての知識が必要です。
DIYで修理を行おうとして、かえって状態を悪化させたケースも少なくありません。
養生シートでの保護などの準備を行わずに作業をしてしまい、近隣住民とトラブルになったケースもあります。
安全性と仕上がりを考えると、初めからプロへ依頼するのが最も安心で確実です。
屋根の不具合は正しい直し方を知っているプロに任せよう

屋根の直し方は幅が広く、屋根の状態や屋根材によって適切な方法が変わります。
屋根の状態を正確に把握したうえで、方法を選ぶのが大切です。
まずはリフォーム会社に屋根を調査してもらい、結果をもとに相談しながら決めるのをおすすめします。
ユールーフは20,000件以上の実績をもつ屋根の専門会社です。
診断や見積もりを無料で承っているので、屋根の直し方に迷われている方はお気軽にご相談ください。




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