瓦屋根の葺き替え費用や負担を抑える方法!後悔しない業者選びも解説
2025.09.01 (Mon) 更新
屋根瓦の葺き替えは、住宅の耐久性や快適性に大きく関わる重要な工事です。
使用する屋根材や劣化の進行具合によって費用が大きく異なります。
そのため、工事を依頼する際は、事前に正しい知識を持つことが大切です。
本記事では、葺き替え費用の相場や屋根材ごとの特徴から業者選びのポイントまで、屋根リフォームに役立つ情報をわかりやすく解説します。
屋根瓦の葺き替え費用相場と内訳
屋根瓦の葺き替えは、住まいを長く快適に保つために欠かせない工事の一つです。
しかし、費用が高額になることもあり、「いくらかかるのかわからず不安……」という方も多いのではないでしょうか。
この章では、屋根瓦の葺き替えにかかる費用相場やその内訳について詳しく解説します。
屋根材別の費用の違い
屋根瓦の葺き替え費用は、使用する屋根材や屋根の形状によって大きく変動します。
屋根材ごとの葺き替え費用は以下をご確認ください。
・瓦→瓦の葺き替え:90〜250万円
・瓦→ガルバリウム鋼板:100〜220万円
・瓦→スレート:70〜200万円
・瓦→アスファルトシングル:70〜230万円
瓦から瓦への葺き替えは、屋根材自体の価格や施工方法などから高額になる傾向があります。
工事項目ごとの費用内訳
屋根の葺き替え工事では屋根材そのものの費用だけでなく、さまざまな作業代が加算されます。
たとえば、約30坪ほどの住宅を想定した場合、足場の設置には約20万円が必要です。
既存の屋根材の解体や撤去費用は30〜60万円ほどかかり、下地となる野地板の交換には25〜35万円ほどかかります。
防水シートの張替えにも10〜15万円がかかるのが一般的です。
さらには廃材の処分費や人件費も発生するため、最終的な費用は見積もりの段階でしっかりと確認しておくことが重要です。
葺き替えを行う主な瓦や屋根材の特徴
屋根瓦を葺き替える際には、既存と同じような瓦を使用するか、別の屋根材に変更するかを選べます。
それぞれの素材には費用面や耐久性、見た目などに違いがあり、住宅の状況や予算に応じた選択が可能です。
ここでは、代表的な屋根材ごとの特徴やメリット・デメリットを解説します。
日本瓦
日本瓦は、最も伝統的な屋根材であり、非常に高い耐久性を誇ります。
適切に施工すれば、耐用年数も20〜60年程度と非常に長期間使用できます。
一方で、日本瓦は重さがあるため建物にかかる負担が大きく、耐震性の観点からは注意が必要です。
材料費や施工費が高めなので、他の屋根材に比べて初期費用がかかる点も理解しておく必要があります。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、軽量で耐震性にも優れていることから、近年人気が高まっている屋根材です。
施工性も良く、複雑な屋根形状にも対応できます。
ガルバリウム鋼板は金属製のため、瓦に比べると断熱性や遮音性の面でやや劣るのがネックです。
他の屋根材と比較してもそれほど高くはなく、耐用年数も20〜40年と比較的長めです。
スレート
スレートは薄くて軽量な屋根材で、デザインの種類も豊富なことから多くの住宅で採用されています。
コストパフォーマンスに優れており、初期費用を抑えたい方にぴったりです。
耐用年数が10〜35年と幅があり、使用している製品によっては他の屋根材に比べてランニングコストがかかる可能性があります。
アスファルトシングル
アスファルトシングルは、柔軟性に優れており、曲面や複雑な形状の屋根にも施工しやすいという特徴があります。
価格も比較的安価で、軽量なため耐震性の面でも安心です。
風にあおられやすく剥がれやすいという弱点があるので、台風の多い地域では注意が必要です。
耐用年数は15〜30年で、定期的な点検とメンテナンスを前提とした運用が求められます。
屋根瓦の葺き替えにおすすめのタイミング
屋根瓦は非常に耐久性の高い素材ですが、永遠に使えるわけではありません。
瓦の下にある防水シートや下地材も経年劣化するため、適切なタイミングでの葺き替えが必要です。
劣化を放置すると雨漏りや構造材の腐食につながるため、早めの点検と対応を心掛けましょう。
瓦・下地・防水シートの寿命の目安
瓦自体の寿命は非常に長く、20〜60年程度が目安とされています。
ただし、瓦の下にある防水シートや野地板(下地材)はそれよりも早く劣化するため、見た目だけで判断するのは危険です。
表面の瓦がきれいに見えていても、内部に雨水が入り込んでいるケースは珍しくありません。
定期的に専門業者による点検を受けて劣化の有無を確認しておくことが、不要な工事を避けるためにも重要です。
天井や屋根に現れる不具合
室内で天井にシミが出てきた場合や雨漏りが発生した場合は、防水層の機能が低下している初期サインの可能性があります。
瓦のずれや割れ、欠け、苔の発生なども劣化の兆候です。
台風や地震などの自然災害があった後は、目に見える破損がなくても専門業者による点検を依頼しておきましょう。
屋根瓦の葺き替えにかかる費用を抑える方法
屋根瓦の葺き替えは大きな出費になるため、少しでも費用を抑えたいと考える方は多いでしょう。
補助金制度や保険の活用、依頼のタイミングを工夫することで、費用を賢く削減することが可能です。
ここでは、葺き替え費用を抑えるための具体的な方法をご紹介します。
火災保険を活用する
屋根瓦の葺き替え費用を抑えるうえで、まず検討したいのが火災保険の活用です。
自然災害によって瓦が割れたり、屋根に損傷が生じたりした場合、保険の補償対象になるケースがあります。
対象はあくまで台風・地震・雪害など「突発的な自然災害」が原因である必要があるため、経年劣化による葺き替えでは保険は適用されません。
保険を利用できるかどうかは状況によって異なるため、事前に保険会社や施工業者など専門家への確認をおすすめします。
国や自治体の補助金・助成金をチェックする
葺き替え工事の目的や内容によっては、国や自治体が提供している補助金や助成金制度を活用できる場合があります。
補助金制度は地域によって内容が異なっており、申請条件や募集期間が定められているため事前の確認が必須です。
地元の自治体ホームページや、施工業者に相談して最新情報を把握しましょう。
制度を上手に活用することで、大きなコストカットにつながる可能性があります。
工事のオフシーズンを狙う
屋根の葺き替えを依頼する時期によっても、費用を抑えられる可能性があります。
春や秋は気候が安定していることから依頼が集中し、業者のスケジュールも埋まりやすいため、価格が高くなりがちです。
一方で、夏や冬などの閑散期は工事が少なくなるため、割引キャンペーンや特別価格で案内している業者もあります。
計画的に工事時期を調整することが、費用対効果の高いリフォームを実現するポイントです。
屋根瓦の葺き替え工事で失敗しない業者選びのポイント
屋根瓦の葺き替え工事は、費用も手間もかかる大きなリフォームだからこそ、信頼できる業者に依頼することが非常に重要です。
安さだけで決めてしまうと、工事後の不具合や追加費用といったトラブルにつながる可能性もあります。
安心して任せられる業者を見極めるためのチェックポイントを解説します。
見積もりが明確でわかりやすいか
業者選びでまず確認したいのが、見積もりの内容が明確かどうかです。
「〇〇一式」という表記を多用している見積書では、どこまでの作業が費用に含まれているのか不明瞭になります。
工事を開始した後から、想定外の追加料金が発生してしまうケースもあります。
それぞれの作業に対して項目ごとに細かく金額を記載している業者であれば、安心して工事を任せられます。
見積もり確認時に不明点はそのままにせず、契約前にしっかりと確認しておきましょう。
保証制度・アフターフォローは充実しているか
工事が終わったあとも、安心して暮らしていくためには保証制度やアフターフォローの有無が重要です。
屋根工事は外からは見えにくい部分も多いので、万が一不具合が出た場合にすぐに対応してもらえる体制が整っているかどうかを確認しましょう。
保証内容は口頭だけでなく、書面でしっかり提示してもらうのが理想です。
定期点検や無料診断などのアフターサービスが用意されている業者であれば、長期的な安心感につながります。
実績豊富な地域密着の業者かどうか
悪質な業者は地域での悪評が立ちやすいため、長く営業を続けている地元の業者はそれだけで一定の信頼が置けます。
また、地域密着型の業者は地元の気候や住宅の特徴を熟知しているため、適切な提案や柔軟な対応が可能です。
トラブルがあった際にすぐに駆けつけてもらいやすいというメリットもあります。
口コミ・評判は良いか
Googleマップや口コミサイト、SNSなどでの評判も業者選びの参考になります。
評価が高いかどうかだけでなく、実際の投稿内容にも目を通し「どのような点が評価されているのか」などを見極めましょう。
低評価がついている場合は、なぜその評価がされているのかという点を確認することも大切です。
屋根瓦の葺き替え工事費用を正しく理解して安心できるリフォームをしよう
屋根瓦の葺き替えは高額な工事だからこそ、相場や屋根材の特徴、見積もりの内訳まで正しく理解しておくことが重要です。
費用面に不安を感じる場合は、火災保険や補助金の活用・業者選びの工夫など、状況次第では費用を抑えることができる可能性もあります。
大切なお住まいを長く守るためにも、早めの点検と信頼できる業者に相談しましょう。